橋をふさぐ牛と三越が渕
どんな伝承か
引田の川股に三越が渕と呼ばれる渕がある。ある夜、馬を連れた者が橋の手前まで来ると、道の上に牛が横たわっていて、そこから先へ進めなくなった。月は出ていたが、冷え込みの厳しい夜更けであったという。行き惑った者が般若心経を唱えはじめると、その牛は大きな音を立てながら谷底へ転げ落ちていった。渕のほとりで行く手をふさいだ牛の怪として語り伝えられている。
原典より
馬をひいて橋までくると牛が寝ていて通ることができない。—— 新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書)
『新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説』は、香川県の叢書の民俗篇のうち、第八編「口承文芸」を収めた部分である。香川県内の昔話と伝説を扱い、昭和初年からの採集の歩み、呼び名や発端・結末の句、桶屋やほうろく売り・遍路などの運び手、語り手の横顔を論じたうえで、綾上町などで聞いた未発表の昔話を話者名付きで掲げる。伝説の章は樹木・石と岩・水と池と渕・塚と穴・祠と堂・坂と山と峠と谷・動物の項目に分け、各話の末尾に伝承地の郡町名を添える。