与田寺の金若丸
どんな伝承か
与田寺の増吽僧正が竹藪で小便をしたところ、その藪に生えた筍を食べた娘が身ごもり、十三か月目に男の子を産んだ。金若丸と名付けられた子は絵が上手で、僧正の留守中に不動明王を描いた。僧正が戻ったので慌てて絵を畳の下に隠すと畳が燃え出して火事になり、僧正が絵を取り出すとようやく火は収まった。この不動は焼さしの不動と呼ばれる。また金若丸の描いた馬が抜け出して田畑を荒らすので、杭と手綱を描き足したところ、馬は二度と出なくなったという。
原典より
与田寺の増吽僧正が竹籔で小便をしたところ、その籔のたけのこを喰べた娘が懐妊し一三か月目に男の子を生んだ。—— 新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説(香川県(編)・新編香川叢書)
『新編香川叢書 民俗篇――昔話と伝説』は、香川県の叢書の民俗篇のうち、第八編「口承文芸」を収めた部分である。香川県内の昔話と伝説を扱い、昭和初年からの採集の歩み、呼び名や発端・結末の句、桶屋やほうろく売り・遍路などの運び手、語り手の横顔を論じたうえで、綾上町などで聞いた未発表の昔話を話者名付きで掲げる。伝説の章は樹木・石と岩・水と池と渕・塚と穴・祠と堂・坂と山と峠と谷・動物の項目に分け、各話の末尾に伝承地の郡町名を添える。