海に化粧道具を沈める浜の浦の竜宮祭
どんな伝承か
長崎県新上五島町浜の浦に伝わる祭事。十月に行われる竜宮祭では、船の上から鏡・笄・糸・針・白粉・紅などの品を、あらかじめ決められた場所で海の中へ沈めるという。浦そのものを特別な祭場とみなす点に特徴があり、漠然と海洋を対象とする一般の行事とは区別される、海への信仰にもとづく行事とされている。泉州波有手など他地方の浜での祭事とも比較して紹介されている。
原典より
浜の浦の例は一〇月の竜宮祭で、式は前者に近く、船中から鏡、笄、糸、針、白粉、紅などを所定の場所で海中へ沈めるという。—— 日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗(原田敏明・池上廣正・堀一郎ほか)
『日本民俗学大系 第8巻――信仰と民俗』は、原田敏明・池上廣正・堀一郎ら十二人の執筆者による論文集である。民間に伝わる神と霊の観念、家や村の氏神、職業の神、祭りの日取りと組織、憑きものや妖怪を題材に、各地の調査報告や古記録に見える事例を引いて論じる。原田の総説に始まる十七編からなり、後半では修験道・庚申信仰・キリシタン・新興宗教と民間信仰とのかかわりを扱う。