御所の南庭で鳴いた狐
どんな伝承か
『吾妻鏡』によると、建暦三年十月十三日の夜、雷が鳴ったのと同じころ、将軍の御所の南の庭で狐が何度も鳴いたという。鎌倉時代にも狐の鳴き声は凶兆として恐れられていたらしい、と著者はこの記事を挙げて述べている。
原典より
建曆三年十月十三日巳酉入夜雷鳴,同時御所南庭狐鳴及度々。—— 動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
動物妖怪譚(日野巌・日野巌・動物妖怪譚・1926年(大正15年))
『動物妖怪譚』は、日野巌が大正六年に筆を起こし、大正十一年の跋と大正十五年の再記を添えて著した伝説の動物の研究書である。鬼・天狗・河童・人魚・雪女・龍・雷獣・狐・狸・獏・鯰・猫など二十六の項目を立て、記紀や万葉集から近世の随筆までの記事を原文の引用ごと示して起源と変遷をたどり、動物学の知識で正体を考える。總論で起原・歴史的変遷・分類などを論じ、結論では迷信から科学へ近づくことを説いて閉じる。