清まるにつれ上る位牌の段
どんな伝承か
四十九日の忌が明けるまで、その家に死者の霊魂がとどまると信じる習俗は各地に広く見られる。四十九日まで魂は家の棟を離れないとか、軒先の三寸のところにいるなどといい、だから静かにし、屋根に登ったり葺き替えたりしないという土地も多い。火葬の行なわれない地方でも、位牌を四十九日まで家に置いておく家はずいぶんある。伊豆の利島や八丈島では、霊魂がしだいに清まっていくのに従って、位牌を低い段から少しずつ上の段へ移していくと、坂口一雄が精細に報告していると最上孝敬は記す。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・昭和(民俗学))
民俗学者・最上孝敬『霊魂の行方』。日本各地の葬送習俗を実地調査し、死者の霊魂がどこへ行きどう処理されるかを論じた葬送民俗研究の集成。