位牌から飛んだ六文銭とズンダ餅
どんな伝承か
福島の相馬地方新地村に、新助とイクという仲むつまじい夫婦がいた。イクは胸を病んで臥せり、死期が近づくと、自分が死んでも後妻を貰ってくれるなと言い残して亡くなった。一年経ち、新助はやもめ暮らしが嫌になって後妻を貰った。盆にイクの位牌を仏壇に飾って念仏を唱えていると、位牌からいきなり六文銭が一枚飛んできて額に貼りついた。イクが焼き餅を焼いたのだと考えた新助は、これでは表を歩けないと思い悩み、イクの大好物だったズンダ餅を後妻に作らせた。豆をつぶし砂糖を加えて餅を入れた摺鉢をのぞくと、額の六文銭がぽとんと落ちたという。いまでもズンダ餅は農家で作られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東北怪談の旅(山田野理夫・昭和49年(1974年)頃)
東北怪談の旅(山田野理夫)/飢饉の非業の死と怨念/巫女(イタコ)の口寄せ/座敷童子・河童の怪/東北各地の幽霊伝承