無縁仏を供養する貝津の観音施餓鬼
どんな伝承か
長崎県下五島の三井楽町貝津、現在の五島市三井楽町貝津の施餓鬼は旧七月五日に行われ、その折「昔から無縁仏の供養に」観音様へお参りするのだという。観音堂は村で一番高い所にあり、郷のお寺と呼ばれ、村の婆さんたちが二年交替で堂守をしていたが、今は月ごとの当番が世話をしている。施餓鬼には各戸から一人ずつ米や大豆を持ち寄り、僧侶も呼ばれてくる。同じ報告書でも信仰の項は日を八月五日とし「先祖と無縁仏の供養をする」とあり、著者は古い姿と後の変化を伝えるものかと述べる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・1984年(昭和59年))
『霊魂の行方』は、最上孝敬の葬送習俗に関する論説を集め、名著出版が昭和五十九年に刊行した論集である。死者の霊を家から送り出す霊送りやカラダビ、骨掛け、男女別墓制と半檀家、無縁仏、盆と施餓鬼、葬儀の水など、千葉・埼玉をはじめ各地で聞き取った習俗と既刊の報告をもとに論じる。「霊送りとその周辺」「葬送の諸問題」「葬祭の民俗」の三章に二十八篇を収め、巻末に初出一覧、大島建彦の解説、年譜、著作目録を付す。