田村麿将軍の悪龍退治
どんな伝承か
岩殿山に、世にも恐ろしい悪龍が住みついた。真夏に雪を降らせ、寒中に雷を鳴らし、田畑を荒らし、人馬までさらうので、村里はひどく苦しめられた。桓武天皇の御代、蝦夷征伐に下った坂上田村麿将軍が村人の願いを聞き入れ、二日二夜はかりごとを巡らせて、ついにこの悪龍を退治したと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東松山市史 資料編 第5巻(民俗編)――伝説(東松山市(編)・東松山市史)
『東松山市史 資料編 第5巻(民俗編)――伝説』は、東松山市が編んだ市史の民俗編のうち、伝説の部分を収めたものである。岩殿山の悪龍退治や比企一族の落人の話、永福寺の河童の詫証文、箭弓神社の銭絵馬、狐に化かされた話、神かくし、雪女郎など、市内の寺社・坂・沼・塚にまつわる四十六話を載せる。各話は会話を交えた語り口に書き直され、多くの話の末尾に〔 〕で由緒や文献上の注を添える。