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蛙の鳴かない池と尻あぶり饅頭

所在地埼玉県東松山市大字岩殿(鳴かずの池)
年代天正年間(1573〜91)以降
登場中興開山英俊、坂上田村麿、里人、悪龍を退治した将軍(風習の由来)
出典東松山市史 資料編 第5巻(民俗編)――伝説

どんな伝承か

坂上田村麿が退治した悪龍の頭は、岩殿の麓に掘った穴に埋められ、大石でふたをされたという。天正年間、岩殿山正法寺を中興した英俊が、その場所に農民のための用水池を掘った。ところがこの池には不思議と蛙が住みつかず、里人は鳴かずの池と呼ぶようになった。また岩殿山を囲む村々では、毎年六月一日になると悪龍退治の恩を忘れぬよう、家々の門口ですくもりを焚き、小麦粉のゆで饅頭をこしらえて供える習わしが近年まで続いていた。すくもりの火で尻をあぶればその年は病を寄せつけない魔よけになるといい、この饅頭は尻あぶり饅頭とも呼ばれる。

原典より

ところが不思議なことにこの池には蛙が住みつかないので、里人に“蛙の鳴かない池”“鳴かずの池”と呼ばれるようになった。—— 東松山市史 資料編 第5巻(民俗編)――伝説(東松山市(編)・東松山市史) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

東松山市史 資料編 第5巻(民俗編)――伝説(東松山市(編)・東松山市史)

『東松山市史 資料編 第5巻(民俗編)――伝説』は、東松山市の市史の民俗編のうち、伝説の部分を収めたものである。岩殿山の悪龍退治や比企一族の落人の話、永福寺の河童の詫証文、箭弓神社の銭絵馬、狐に化かされた話、神かくし、雪女郎など、市内の寺社・坂・沼・塚にまつわる四十六話を載せる。多くは会話を交えた物語の形で書かれ、筆者が幼い頃に母から聞いた話や古老から聞いたままの話も含み、末尾に〔 〕で由緒や文献の注を添える。

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