榎峠の榎・梨・柳の上方詣り
どんな伝承か
柏崎にはある年三年続けて芽の出なかった榎・梨・柳の三本の名木の話が伝わる。人々が枯れたかと惜しんでいたところ、ちょうどその三年のうちに村の有力者三人が上方見物と伊勢参りに出かけた。京都の宿に泊まった際、宿の主人から「あなた方と同姓同名の人がつい先日泊まって出たばかりだ」と告げられ、一行は驚いて行き先を尋ねたが「まだ旅を続けるとだけ言って出かけた」という。果たして三年目の春、三本の木から青々とした芽が萌え出し、名木たちが上方見物をしていたのだろうと語り伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史)
『柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信』は、柏崎市史の資料集として編まれた民俗篇のうち、第四章「文化伝承」の信仰にかかわる部分を収める。柏崎市域のムラの神社とまつり、雨乞い・虫送りなどの祈願、家の神と屋敷神、民間小祠と路傍の石仏、寺と行事、修験、庚申講や米山講などの講を、聞き書きと「白川風土記」「神社明細帳」などの記録から記す。第六節「俗信」では予兆・占い・禁忌を分類して列挙し、昭和五十八年の熱田神社の年占の結果も載せる。