兜中山と道鏡の妖雲鎮め
どんな伝承か
鵜川地区の西にそびえる標高六七六メートルの兜中山(兜巾山)には、山の名の由来を語る伝承がある。昔、僧の道鏡がこの山のあたりを通りかかったとき、あたりに渦巻く妖しい雲にただならぬ気配を感じ、身につけていた頭巾を土の中に埋めて祈祷をした。するとたちまち妖雲は消え去ったといい、それ以来この山を兜中山と呼ぶようになったと伝えられている。鵜川地区の修験については判然としないが、この山の周辺には修験の存在を思わせる伝承や地名が残されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史)
『柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信』は、柏崎市史の資料集として編まれた民俗篇のうち、第四章「文化伝承」の信仰にかかわる部分を収める。柏崎市域のムラの神社とまつり、雨乞い・虫送りなどの祈願、家の神と屋敷神、民間小祠と路傍の石仏、寺と行事、修験、庚申講や米山講などの講を、聞き書きと「白川風土記」「神社明細帳」などの記録から記す。第六節「俗信」では予兆・占い・禁忌を分類して列挙し、昭和五十八年の熱田神社の年占の結果も載せる。