高原田毘沙門の夢枕
どんな伝承か
高原田の毘沙門堂の毘沙門像は、宝暦年間に鵜川上野の中村久右衛門が佐水の関矢家の毘沙門天を譲り受け、家の守り神としていたものである。ところがあまりに霊験があらたかで、たびたび罰を加えられるので持て余し、新井橋から川へ投げ捨てようと考えた。そのとき高原田の地蔵堂の堂主だった了全の夢枕に毘沙門天が現れて救いを求めたので、了全は驚いて新井橋へ駆けつけ、まさに川へ投げ込もうとしている久右衛門の不心得を諭し、像を堂へ持ち帰って安置したという。この堂には今も毎月三日、十三日、二十三日に周辺の年寄りが米一升ずつ持って参り、庵主のお経に会って斎をいただき、悩みごとを見てもらったり毘沙門除けをしてもらったりする。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信(柏崎市(編)・柏崎市史)
『柏崎市史資料集 民俗篇(柏崎の民俗)――信仰と俗信』は、柏崎市史の資料集として編まれた民俗篇のうち、第四章「文化伝承」の信仰にかかわる部分を収める。柏崎市域のムラの神社とまつり、雨乞い・虫送りなどの祈願、家の神と屋敷神、民間小祠と路傍の石仏、寺と行事、修験、庚申講や米山講などの講を、聞き書きと「白川風土記」「神社明細帳」などの記録から記す。第六節「俗信」では予兆・占い・禁忌を分類して列挙し、昭和五十八年の熱田神社の年占の結果も載せる。