伊平屋島の神人とのろくもい
どんな伝承か
折口信夫の沖縄調査の聞書に、伊平屋の神人についての報告がある。各字の神職として、のろくもい・なでしめ・かみし・天の口・安里の口・おしど・ゆちななど、あわせて二十人余がいた。のろくもいは俗にぬるといい、その住所を「ぬんどんち」といって、十年前までは門前を通る時も必ず頭を垂れて尊敬の意を表した。ぬるは平素、殿内を守り斎戒の任に当たる。なでしめ以下は祭りに参るばかりで、服装はすべて白衣であったという。
原典より
のろくもいは、俗にぬるといひ、其住所を「ぬんどんち」といひ、十年前迄は、其門前を通る時も、必頭を垂れて、尊敬の意を現した。—— 霊魂観の系譜――歴史民俗学の視点(桜井徳太郎・桜井徳太郎・歴史民俗学・1977年(昭和52年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂観の系譜――歴史民俗学の視点(桜井徳太郎・桜井徳太郎・歴史民俗学・1977年(昭和52年))
『霊魂観の系譜――歴史民俗学の視点』は、桜井徳太郎が一九七七年(昭和五十二年)に著し、筑摩書房から刊行した論文集である。昭和三十二年から五十年にかけて学会誌や雑誌、新聞に発表した論考を収め、民俗学と歴史研究の関係、郷土の民俗像の史的復元、古代のシャマニズムと憑霊、呪いの人形、怨霊から御霊への死霊観を論じる。後半で折口信夫の巫女観と柳田国男の祖先観を検討し、巻末にあとがきと初稿発表覚書を付す。