小留浦の三階層と婚姻の三類型
どんな伝承か
小留浦部落は階層構成から見て三つに分かれる。最高層は各同族イッケの首長と目されるオマエ階層で、村の草創者として開創の歴史も古く家格も高く、山林や畑を広く所有する地主でもある。壮大な家構えを誇り、イッケ内の結婚には強い承認権を行使して席も最上座を占めた。最下層は畑を小作したり山林の伐採・下刈り・搬出に雇われる日傭取り層で、小前衆とも呼ばれる。両者の中間に自小作層が位置し、この三階層が婚姻の三類型と対応している。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂観の系譜――歴史民俗学の視点(桜井徳太郎・桜井徳太郎・歴史民俗学・1977年(昭和52年))
『霊魂観の系譜――歴史民俗学の視点』は、桜井徳太郎が一九七七年(昭和五十二年)に著し、筑摩書房から刊行した論文集である。昭和三十二年から五十年にかけて学会誌や雑誌、新聞に発表した論考を収め、民俗学と歴史研究の関係、郷土の民俗像の史的復元、古代のシャマニズムと憑霊、呪いの人形、怨霊から御霊への死霊観を論じる。後半で折口信夫の巫女観と柳田国男の祖先観を検討し、巻末にあとがきと初稿発表覚書を付す。