承認権を握る五者と階層の対応
どんな伝承か
第3表は婚姻の承認権を持つ者と階層との関係を示す。血縁のオヤ、族縁のオマエ、擬制族縁のオヤブン、地縁のクミアイ、共同体の若い衆の五者を並べると、フロシキ嫁型の多い小前層ではオヤの拘束力がほとんど働かないのに対し、嫁入り婚を標準とするイッケ同族団の長オマエ層では必要不可欠の条件とされる。小前層ではイッケ衆による族縁的拘束も親分子分の擬制的拘束も強くない。中間層はこれらの規制がともに強く作用し、最も多くの拘束条件を内に含んでいる。
原典より
V 若い衆(共同体拘束型) △ △ △備考 空白の個所は、決定後の事後承諾(ギジョウの席にも出ない)血縁的系譜につながるオヤ(表中のI)が承認権の行使者であることはいうまでもないが、これがフロシキ嫁型の多い小前層ではほと…—— 霊魂観の系譜――歴史民俗学の視点(桜井徳太郎・桜井徳太郎・歴史民俗学・昭和(民俗学)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂観の系譜――歴史民俗学の視点(桜井徳太郎・桜井徳太郎・歴史民俗学・昭和(民俗学))
民俗学者・桜井徳太郎『霊魂観の系譜―歴史民俗学の視点』。日本民俗学を歴史研究と結びつける歴史民俗学の方法を提唱し、古代から現代に至る日本人の霊魂観を追究する。I『民俗学と歴史研究』では日本民俗学の宿命・対象・方法と歴史研究との関係を論じ、II『歴史民俗学の構想』では柳田国男の重出立証法を批判・克服し、奥多摩小河内村の婚姻習俗(朝聟入り型・承認権)を作業例に郷土の民俗像の史的復元を試みる。