風呂敷一枚で嫁にきた小留浦の祝言
どんな伝承か
小河内村の小留浦部落では、明治のころの祝言は「風呂敷一枚で嫁にきた」といわれるほど簡素であった。娘は義務教育を終えぬうちに奉公へ出、その奉公先から招び寄せられて嫁入りする例が多く、手数のかからない風呂敷嫁が圧倒的に多かった。のちに江戸風が入って華美となり、身上にひびが入るほどの出費となる。部落には十五歳で入会し四十二歳で脱会する若者組があり、正月の若い衆寄合で新入りが謡をうなり、以後は公然と夜遊びが認められた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂観の系譜――歴史民俗学の視点(桜井徳太郎・桜井徳太郎・歴史民俗学・1977年(昭和52年))
『霊魂観の系譜――歴史民俗学の視点』は、桜井徳太郎が一九七七年(昭和五十二年)に著し、筑摩書房から刊行した論文集である。昭和三十二年から五十年にかけて学会誌や雑誌、新聞に発表した論考を収め、民俗学と歴史研究の関係、郷土の民俗像の史的復元、古代のシャマニズムと憑霊、呪いの人形、怨霊から御霊への死霊観を論じる。後半で折口信夫の巫女観と柳田国男の祖先観を検討し、巻末にあとがきと初稿発表覚書を付す。