黄と白に咲くミナノエシの由来
どんな伝承か
見沼のあたりには、オミナエシともオトコエシとも違い、黄と白の花を同時に咲かせるミナノエシという草がある。沼の近くに住む豪族の娘が若者と恋仲になったが、仲たがいして出家を決意し家を出た。忠義な小間使いは二人をとりなそうとするうち、自らがその若者と愛し合って女の子をもうけた。小間使いは詫びるように姿を消し、若者と娘は結ばれた。月の美しい夜、小間使いが娘を連れて月へ帰ると言って旅立つのを見た村人がおり、恋を実らせに現れた出雲の神の使いだと噂された。彼女の愛したオミナエシは以後二色の花を咲かせ、ミナノエシと呼ばれるようになったという。
原典より
見沼周辺には、オミナエシでもオトコエシでもなく、黄色と白の花が同時に咲くミナノエシという草がある。—— 浦和市史 民俗編――伝説(浦和市(編)・浦和市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
浦和市史 民俗編――伝説(浦和市(編)・浦和市史)
『浦和市史 民俗編――伝説』は、浦和市史の民俗編のうち、第十章「伝説」を収めた部分である。調神社の片目の鯉や兎を飼わない言い伝え、日蓮上人の駒つなぎのケヤキ、見沼の竜神や笛、別所沼の大蛇、地名や塚の由来、特定の作物や弓矢を忌む家の言い伝えなど、市内に伝わる伝説を集める。旧市部から西浦和まで地区別に節を立て、見沼の伝説は一節にまとめ、章の初めに『埼玉県伝説集成』などの引用文献を掲げ、話のあとに▽印で異説や由来を補う。