草の生えぬ仏道と盆の話し声
どんな伝承か
水無の綿実には、草も木もまったく生えず、おのずと道の形をなしている場所がある。土地の人はここを仏道と呼ぶ。盆の十四日の朝、この道で待っていると、通り過ぎる仏たちの話し声を聞くことができるのだという。山のなかに仏の通う道があるという言い伝えで、盆のあいだは仏の足を刈ることになるといって草刈りを忌む習わしとも結びついている。
原典より
水無の綿実にまったく草木が生えず、自然に道形をなしている所があって、ここを仏道とよんでいる。—— 田島町史 第4巻(民俗篇)――伝説(田島町(編)・田島町史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
田島町史 第4巻(民俗篇)――伝説(田島町(編)・田島町史)
『田島町史 第4巻(民俗篇)――伝説』は、会津の田島町の町史のうち民俗を扱う巻の、伝説を論じた節である。針生・糸沢・金井沢・折橋などに伝わる岩魚の棲まない沢、ダイタンボウの足跡、弘法清水、竜燈、天狗隠し、河童駒引き、アズキトギなどの伝説を、土地の言葉を交えた語りで載せる。自然伝説・歴史伝説・信仰伝説に分けて動物・地形・地名・人物・幽霊・妖怪変化などの項を立て、各話のあとに伝説の型や会津の類例を論じる。