霊夢で勧請された竜福山の熊野神社
どんな伝承か
糸沢の竜福山は、さほど高い山ではないが、起伏の続くさまが竜の伏した姿を思わせるので竜伏山とも呼ばれた。その山腹に熊野神社が祀られている。治承四年、呉庵比丘尼という者が夢のお告げを受け、紀州の熊野本宮から神霊を迎えて建てたのが始まりだと伝える。境内には、その比丘尼を葬ったとされる五輪の塔が残る。社殿のまわりは戦前まで見事な杉の大木に囲まれていたという。熊野比丘尼の系譜をはっきり示す社として挙げられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
田島町史 第4巻(民俗篇)――伝説(田島町(編)・田島町史)
『田島町史 第4巻(民俗篇)――伝説』は、会津の田島町の町史のうち民俗を扱う巻の、伝説を論じた節である。針生・糸沢・金井沢・折橋などに伝わる岩魚の棲まない沢、ダイタンボウの足跡、弘法清水、竜燈、天狗隠し、河童駒引き、アズキトギなどの伝説を、土地の言葉を交えた語りで載せる。自然伝説・歴史伝説・信仰伝説に分けて動物・地形・地名・人物・幽霊・妖怪変化などの項を立て、各話のあとに伝説の型や会津の類例を論じる。