巫女の箱の中身はクダ狐
どんな伝承か
歩き巫女が持ち歩く外法箱の中身について、山梨県西八代郡の地方では、それを外法箱と呼んでいるかどうかはわからないものの、中に納めているのはクダ狐だという。土橋里木が『民間伝承』一四巻九号に報告したものである。東北地方でオシラさまを入れ、八丈島のミバコには稲荷を納めるというのと並べて挙げられ、巫女の箱の御神体が狐であった例として、次に引く『雪窓夜話』の外法箱の話へとつながっていく。
原典より
しかるに山梨県西八代郡地方では、ここではこれを外法箱というかどうかはわからぬが、その中身はクダ狐であるという(民間伝承一四の九、土橋里木氏稿)。—— 日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年))
『日本の憑きもの――俗信は今も生きている』は、石塚尊俊が昭和三十四年に著した研究書である。狐・犬神・蛇などの動物霊が人に憑くという俗信と、それを操るとされる家筋について、全国の伝承と近世以来の文書を集めて論じる。出雲・隠岐・豊後・土佐では筋の家の割合や縁組の偏りを調べ、憑きもの落としの行法や家の神とのつながりまでを七章で追っている。