ウジを犬神と称して売る巫女
どんな伝承か
飢えた犬の首を切って犬神を作るという話は四国では広く聞かれるが、九州の大分県速見郡山香町には、現にその通りのことを実行している巫女がいるという。そうして得た犬の首を腐敗させ、そこに湧いた蛆を乾かして、それを犬神だといい、一匹千円ほどで希望者に頒けているというのである。これは大分大学の学生のレポートに記されていたことだそうで、事実に近い話かもしれないと伝えられている。
原典より
それは、かくして獲た犬の首を腐敗させ、それに湧いたウジをかわかして、それを犬神だといって、一匹千円だかで希望者に頒けているというのである。—— 日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年))
『日本の憑きもの――俗信は今も生きている』は、石塚尊俊が昭和三十四年に著した研究書である。狐・犬神・蛇などの動物霊が人に憑くという俗信と、それを操るとされる家筋について、全国の伝承と近世以来の文書を集めて論じる。出雲・隠岐・豊後・土佐では筋の家の割合や縁組の偏りを調べ、憑きもの落としの行法や家の神とのつながりまでを七章で追っている。