魚と小豆飯でヤコを憑ける法
どんな伝承か
揖宿郡喜入では、ヤコ持ちが誰かを恨んだとき、ヤコの好物である魚と小豆飯を一週間ほど運んで食べさせ、次にそれを相手が通りそうな所へこっそり置いて帰ると、一週間ほどでその人に憑くようになるという。鹿児島市の外れの吉野村でも、「ヤコを憑けてやる」と言って夜中に一心に祈れば憑くとされる。ヤコに憑かれた者は、たいてい半病人のような状態になると伝えられている。
原典より
揖宿郡喜入では、ヤコ持ちが人に恨みをいだいたような場合に憑けるので、そういう場合には、ヤコは魚と小豆飯が好きだから、それを一週間くらいもって行って食べさせ、…—— 日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年))
『日本の憑きもの――俗信は今も生きている』は、石塚尊俊が昭和三十四年に著した研究書である。狐・犬神・蛇などの動物霊が人に憑くという俗信と、それを操るとされる家筋について、全国の伝承と近世以来の文書を集めて論じる。出雲・隠岐・豊後・土佐では筋の家の割合や縁組の偏りを調べ、憑きもの落としの行法や家の神とのつながりまでを七章で追っている。