寝床に入ってきたゴボウダネの女
どんな伝承か
福井県大野郡石徹白には、ゴボウダネの女に思いを寄せられて困ったという話がある。ある日、男が二階にいると、その女がやって来て笑いながら男の寝床に入り、寝てしまった。男は困って別の寝床で休んだが、翌日女の家へ行って問いただすと、そちらへ行ったことなどないと言う。あまりに気味が悪いのでいろいろ聞いてみると、女が前からその男のことを思い詰めていたと分かったという。この筋の者の呪力は、とりわけ女のものが強く語られる。
原典より
ある日二階にいると、その女が来て笑いながら自分の寝床に入って寝てしまった。—— 日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の憑きもの――俗信は今も生きている(石塚尊俊・1959年(昭和34年))
『日本の憑きもの――俗信は今も生きている』は、石塚尊俊が昭和三十四年に著した研究書である。狐・犬神・蛇などの動物霊が人に憑くという俗信と、それを操るとされる家筋について、全国の伝承と近世以来の文書を集めて論じる。出雲・隠岐・豊後・土佐では筋の家の割合や縁組の偏りを調べ、憑きもの落としの行法や家の神とのつながりまでを七章で追っている。