釣鐘に塗られた牡丹餅の餡
どんな伝承か
神奈川県では和尚と小僧の笑話がほとんど採録されていないが、著者は津久井郡牧野で一話を聞き取っている。欲の深い和尚が牡丹餅をこっそり隠しておいたところ、小僧がそれを平らげてしまい、証拠を紛らわすつもりか、餡を釣鐘に塗りつけておいたという筋である。よその土地では、餡を本尊の顔になすりつけ、小僧に問い詰められた仏が「クワーン」と鳴いたので、和尚が食わぬと言っているではないかとかばい、それでは湯に入れてみましょうと鍋で煮ると「クッタ、クッタ」と答えた、という形で語られると著者は書き添えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
神奈川県の歴史 県史講座要録――伝説と昔話(神奈川県(県史講座)・神奈川県の歴史・民俗講座)
『神奈川県の歴史 県史講座要録 第6(県下の民俗篇)』所収の伝説と昔話。神奈川県の伝説を、柳田国男の研究を踏まえて論じる。