団子粉のそばがきに困った沙汰の使い
どんな伝承か
秦野市に伝わる笑い話。堅い家では間違えないよう二人一組で葬式の沙汰(通知)に回るが、その一人が能足りんだった。ある家で嫁がソバガキをふるまうと、味がおかしい。大好物だと言った手前、気の利いた若い衆は食べられず、嫁が茶を取りに立った隙に縁の下へ放り込もうとして丼ごと奥へ投げ込んでしまい困り果てた。あとで嫁が調べると、団子粉とソバ粉の桶を取り違え、団子粉でソバガキをこしらえていたのだった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪(秦野市(編)・秦野市史)
『秦野市史 別巻 民俗編――伝説・妖怪』は、神奈川県秦野市の市史のうち、民俗編の口承の部分を収めたものである。前半には市内で聞き取った動物・神仏・妖怪・人や村に関する話を地区名とともに載せ、河童やセンタク婆さん、グアン婆さんなどの妖怪譚を含む。後半の第四節「伝説」は一テーマ一話の方針で百話を採り、動物・植物、水、石・岩、山・坂・道・畑、塚、祠堂、家・村の七つに分け、既刊の類話を〔文献〕として要約して添える。