豆を惜しんで石豆になった話
どんな伝承か
昔、豆を煮ていたお婆さんのところへ乞食が来て、豆が欲しいとせがんだ。その乞食は実は弘法様であったが、お婆さんは豆がまだ煮えていないし、味もついていないからあげられないと言って断ってしまった。それ以来、その豆はとうとう本当に煮えない石豆になってしまったのだという。人には情けをかけて恵むものだ、という戒めの話として道仙田の女性が語り伝えている。
原典より
乞食、味噌、味噌っつうのはこの辺でも昔は自分で作ってたからなぁ. 寒くなると豆、煮て. 豆煮てたってんだ、お婆さんがな. 豆欲しいって、乞食が. それが弘法様だって話. 豆煮えてんだけども、まだ煮えねえし、ついてもねぇか…—— 竜ケ崎市史民俗調査報告書3(北文間・川原代地区)――伝説・怪異(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
竜ケ崎市史民俗調査報告書3(北文間・川原代地区)――伝説・怪異(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書)
『竜ケ崎市史民俗調査報告書3(北文間・川原代地区)――伝説・怪異』は、竜ケ崎市史の民俗調査報告書のうち、北文間・川原代の両地区で聞いた伝説と世間話を収めた部分である。中沼の主のタニシや亀、ドウロクジンサマの大蛇、狐や狸に化かされた話、首切り田や底なし田、平将門の影武者、力持ちのジンシチなどを、明治・大正生まれの話者からの聞き書きで記す。話はムラごとに分け、話者の語りに準じて記して地区・性別・生年を添え、冒頭には話型名を付した昔話も含む。