手の字が消えない乞食の生まれ変わり
どんな伝承か
道仙田の話。この土地では乞食を大事にし、味噌汁や飯を出す家もあって、あちこちで施しを受けて回る乞食がいたが、その乞食はどこかの山の方へ行って死んでしまった。誰かが葬るとき、その手のひらに何か字を書いてやったという。すると、その乞食はどこかの家に赤ん坊となって生まれ、手のひらに同じ字が残っていた。乞食を埋めた山の土を持ってきて洗わなければ、その字は落ちなかったという。この部落で実際にあったことだから知っている、と語り手は言う。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
竜ケ崎市史民俗調査報告書3(北文間・川原代地区)――伝説・怪異(龍ケ崎市(編)・竜ケ崎市史民俗調査報告書)
『竜ケ崎市史民俗調査報告書3(北文間・川原代地区)――伝説・怪異』は、竜ケ崎市史の民俗調査報告書のうち、北文間・川原代の両地区で聞いた伝説と世間話を収めた部分である。中沼の主のタニシや亀、ドウロクジンサマの大蛇、狐や狸に化かされた話、首切り田や底なし田、平将門の影武者、力持ちのジンシチなどを、明治・大正生まれの話者からの聞き書きで記す。話はムラごとに分け、話者の語りに準じて記して地区・性別・生年を添え、冒頭には話型名を付した昔話も含む。