消えた天王川の橋と蛇の背中
どんな伝承か
浅川の大学院の和尚が、隣村の檀家に祈禱を頼まれ、大雨の中を出かけた。帰ろうとすると橋が流されており、村人は引きとめたが、和尚はどうしても戻らねばならない用事があると聞き入れなかった。天王川まで来ると、流されたはずの橋がちゃんと架かっている。ぐらぐらと揺れる橋を渡り終えて振り返ると、橋は跡かたもなく消えていた。浅川の家に戻ると、天王橋が流れたのでどうしたものかと親族衆が集まって心配していた。思い返せばあれは橋ではなく蛇の背中だったようで、和尚はいつか大石にはさまれた蛇を助けたことを思い出したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史・自治体史(民俗))
『米沢市史 民俗編』第八章口承文芸所収の伝説。山形県米沢市に伝わる鳥獣草木・山川湖沼・地蔵社寺の伝説を採録する。