谷風を驚かせた怪力の大雄禅師
どんな伝承か
舘山寺の二十二代住持が大雄禅師であった。舘山寺はその頃になるとガマが集まって豊年踊りをすることでも知られ、虚空蔵菩薩を祀っているのでそのお使いのガマだといわれている。大雄禅師は五、六人でようやく動かせる大石を軽々と持ち上げるほどの力持ちであった。江戸から巡業に来た二代目谷風が、角力好きの大雄のもとに宿を借りた。その夕方、弟子に稽古をつけた谷風が風呂をもらっていると、大雄がやってきて、関取りとはどれほど重いものかと風呂桶がらみ持ち上げ、さすが江戸の関取りだと言った。時に谷風四十歳、大雄禅師七十四歳だったと聞いて、谷風は二度驚いたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史)
『米沢市史 民俗編――伝説』は、米沢市が編んだ市史の民俗編から、第八章「口承文芸」第三節「伝説」を収めたものである。狐・河童・蛇にまつわる話、上杉家の家臣や弘法大師・源義経にちなむ話、沢・池・岩の由来、地蔵や不動尊の霊験、温泉の開湯譚、長者屋敷など、米沢とその周辺に伝わる伝説を一話ずつ短くまとめて載せる。全体を「鳥獣・草木」「人霊」「山・川・湖沼」「地蔵・社寺」「温泉・町・村」の五項に分け、遠山と田沢の七不思議も列挙する。