茂林寺の大雲雷天
どんな伝承か
松川にかかる相生橋の近くに茂林寺があり、大雲雷天、夕顔観音、弁財天が祀られている。茂林寺七世の道高和尚が座禅を組んでいると、急に空が曇って雨が降り、雷鳴がとどろいた。和尚がこんなときこそと目をつむると、目の前が真赤になった。目を開けると庭に火の玉がころころと草の上を転がり、草はたちまちしおれてしまった。和尚は下駄をつっかけて近づき手を伸ばしたが、火の玉はころころと逃げ廻る。ようやくつかまえて木の箱に入れておくと、寝床に入った和尚の耳に呼ぶ声がする。箱の中から、われは大雲雷天である、寺内に祀れば悪疫を防いでやろうというので、和尚は堂を建てて祀ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史)
『米沢市史 民俗編――伝説』は、米沢市が編んだ市史の民俗編から、第八章「口承文芸」第三節「伝説」を収めたものである。狐・河童・蛇にまつわる話、上杉家の家臣や弘法大師・源義経にちなむ話、沢・池・岩の由来、地蔵や不動尊の霊験、温泉の開湯譚、長者屋敷など、米沢とその周辺に伝わる伝説を一話ずつ短くまとめて載せる。全体を「鳥獣・草木」「人霊」「山・川・湖沼」「地蔵・社寺」「温泉・町・村」の五項に分け、遠山と田沢の七不思議も列挙する。