笹野観音の身代り地蔵
どんな伝承か
笹野観音の境内にある延命地蔵を、人々は身代り地蔵と呼んでいる。天保十三年の置賜地方の餓死者を供養するため、呉服屋の渡部伊右ェ門が寄進したものである。ところが渡部家では相次いで家人が病んで死に絶えてしまったことから、渡部家の延命のために寄進したのだという噂が流れ、家は迷惑しているという。その渡部家にはこんな話もある。蔵を建てようとしていると、十四、五歳の小僧がやってきて、隣に建っていた蔵の中へすうっと入って行った。家人が後を追うと、そこに口から血を流している蛇がいた。以来その蔵を蛇蔵と呼んで開かずの蔵とし、渡部家からは病人や怪我人が出て没落したのだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史)
『米沢市史 民俗編――伝説』は、米沢市が編んだ市史の民俗編から、第八章「口承文芸」第三節「伝説」を収めたものである。狐・河童・蛇にまつわる話、上杉家の家臣や弘法大師・源義経にちなむ話、沢・池・岩の由来、地蔵や不動尊の霊験、温泉の開湯譚、長者屋敷など、米沢とその周辺に伝わる伝説を一話ずつ短くまとめて載せる。全体を「鳥獣・草木」「人霊」「山・川・湖沼」「地蔵・社寺」「温泉・町・村」の五項に分け、遠山と田沢の七不思議も列挙する。