盗賊を打ち砕いた堺の首切地蔵
どんな伝承か
昔、石地蔵を心から信仰する一人の男がいた。ある願い事があって三七日の祈願をかけ、その満願の夜、地蔵堂に隠れていた盗賊のために首を打ち落とされると思うと、正気を失って倒れてしまった。ところが夜明けになって彼は甦った。正気づいてふと辻堂を見ると、地蔵の首は切られており、その傍らに盗賊が倒れている。盗賊は切られた石地蔵の首で頭を砕かれて死んでいた。そのときの地蔵が今も拝まれており、世の人は首切地蔵と呼んで、何事につけ祈ると霊験があらたかであるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第9巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第9巻』は、日本伝説大系編集委員会が編んだ伝説資料集の一巻である。三重・奈良・和歌山・大阪の各地に伝わる伝説を、三輪山・安珍清姫・弘法清水・油掛け地蔵など百余りの話型ごとに集める。各話型は例話を冒頭に据えて『日本伝説名彙』などとの対応を示し、〔類話〕に伝承地と出典つきの梗概を並べ、〔文献〕に近世以前の史料の原文を添えて補う構成をとる。