山の精が案内した姥湯
どんな伝承か
関根の矢沢で硫黄掘りをしていた遠藤大内蔵という者が、吾妻山に入って鉱山をさぐったが見つからず、山の中を歩き廻るうちに方角を失ってしまった。夜明け近く、沢の方に人声がするので降りて行くと、白髪の老婆が沢にうずくまっている。問いかけると老婆は、人間の姿をしているが山の精だと答え、帰る方角を教えたうえで、疲れているようだから湯に入ってから帰れと言って湯へ案内した。湯に浸かると疲れも擦り傷の痛みも消えた。村の見えるところまで送られて別れると、老婆のところに白雲が舞い降りて姿は消えた。驚いた大内蔵が湯の湧き出るところに戻ると、老婆は石になっていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史・自治体史(民俗))
『米沢市史 民俗編』第八章口承文芸所収の伝説。山形県米沢市に伝わる鳥獣草木・山川湖沼・地蔵社寺の伝説を採録する。