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行灯の灯を狙って射止めた大蝦蟇

所在地宮城県気仙沼市名木沢
年代不明
登場鉄砲名人紋兵衛
出典宮城県史 民俗編

どんな伝承か

昔、本吉郡新月村の名木沢、谷川の土橋のほとりに、傾きかかった一軒の荒屋があった。いつからか夜になると、行灯のもとで一人の老婆が糸を紡いでいる。その様が気味悪く、魔性のものにちがいないと評判になった。鉄砲の名人紋兵衛がある夜、銃を携えて様子を見に行くと、こちらを振り向いてニタリと笑った老婆の顔は凄まじく、胸もとをめがけて撃ったが手応えがない。翌晩もようすを見て故老に相談すると、行灯の灯を狙えば射止められると教えられた。三日目の夜、老婆が振り向いた瞬間に行灯の光を狙って一発放つと、異様な叫びとともに四辺は真っ暗になった。翌朝行ってみると、それは三尺余りの醜怪な大蝦蟇であった。

原典より

昔、名木沢の谷川の土橋のほとりに、一軒の傾きかかった荒屋があり、何時からともなく、夜になると行灯のもとで、一人の老婆が糸を紡いでいるのであった。—— 宮城県史 民俗編(茂木徳郎(「妖怪 幽霊」の章)・宮城県史シリーズ) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

宮城県史 民俗編(茂木徳郎(「妖怪 幽霊」の章)・宮城県史シリーズ)

『宮城県史 民俗編』は宮城県の県史の民俗編で、ここに収めるのは茂木徳郎が執筆した章「妖怪 幽霊」である。山・道・木・水・海・雪・家など出現の場所による分類に沿って妖怪変化を論じ、幽霊とヒトダマ・死霊・生霊の観念を考えたうえで、県内の妖怪・幽霊・動物変化の伝承を郡・町村名を添えて集める。序説・本論・事例篇・参考の順に並び、序説では昭和二十四年の迷信調査と昭和三十年のNHK仙台中央放送局の調査にも触れる。

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