猿が浴びていた湯の沢の霊泉
どんな伝承か
源義経の家臣に源八兵衛広綱という武将があり、義経が都を落ちのびたとき、後事を弁慶に頼んで田舎に引き込んだという。小野川温泉の南の源八前がその地だと伝える。この広綱の下男に文五郎という者がおり、広綱のもとを去って山中で野宿しようとしたところ、十数匹の猿が岩間から立ちのぼる湯煙の中で湯を浴びていた。文五郎が猿の去るのを待って行ってみると湯が湧き出しており、それに足を浸してみると足が軽くなった。すっかり疲れのとれた文五郎は人里に降りて霊泉のことを村人に告げた。これが湯の沢であるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
米沢市史 民俗編――伝説(米沢市(編)・米沢市史・自治体史(民俗))
『米沢市史 民俗編』第八章口承文芸所収の伝説。山形県米沢市に伝わる鳥獣草木・山川湖沼・地蔵社寺の伝説を採録する。