新盆の歯骨を納める置賜山参り
どんな伝承か
盆の十六日になると、宗派を問わず、その年に新盆を迎える家の者が仏の歯骨や遺髪を携えて大光院を訪れた。諸堂を巡って拝み、納骨堂へ納めて霊を慰めるこの行事を置賜山参りという。戦前は旧暦七月十六日に行なわれ、置賜山の精霊祭と呼ばれてにぎわった。山門には花や線香、供物を並べる店が出て、門の近くに立つ地蔵のわきでは墓にかける水まで売られたので、その地蔵は水地蔵と呼ばれた。四十九日目の旅立ちの日に訪れる者も多かったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊(置賜民俗学会ほか・置賜の庶民生活)
『置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊』は、置賜地方の民間信仰を、奥村幸雄・武田正らが項目ごとに分担して書いた民俗誌である。人の一生や食物・病気の禁忌、天気占い・作占い・予兆とまじない、ワカ(巫女)、病を治す薬師・道祖神・地蔵、死霊と魂招び・死水の習俗を、古老からの聞き書きや薬の書付を交えて記す。「禁忌・卜占・予兆」「生活の中の神々」「死霊」などの部に分け、項の末尾に執筆者名を記す。