八日見山と山犬信仰
どんな伝承か
群馬県多野郡上野村の勝山・新羽では代参講が盛んで、なかでも八日見山への代参が知られる。八日見山は秩父の小鹿野町(旧三田川村)にあり、蚕があたるとも、オサキなどの憑きものを払ってくれるともいわれ、毎年四月八日に代参を立てる。このとき御眷属の山犬の像を借りてくる者もあり、受けてきた札は講員全員に配って二階の表の戸の上に神座を設けて上げる。勝山では山犬を山犬様と呼び、八日見山の神使と考えていて、狼のことだろうという。田村吾一が十石峠で馬を崖から落とした翌日、山犬様が口を開けて見せたので手を入れて骨を取ってやると、翌日そこに鹿が置いてあったと伝える。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
群馬県多野郡上野村の民俗 下(群馬県民俗調査報告書 第2集)
『群馬県多野郡上野村の民俗 下(群馬県民俗調査報告書 第2集)』は、群馬県多野郡上野村の民俗を調べた報告書の下巻である。この写しは「十二、講・妖怪・その他」の章だけで、八日見山・峠様・榛名様などの代参講、庚申講、トラ祭りと、勝山・新羽の両地区で聞いた山犬・オサキ・狐に化かされた話・再生・カッパ・オニンババの足跡などの話を収める。お札や庚申塔の写真を添え、近藤義雄の撮影と記す。