愛宕山に灯るキツネの嫁取りの列
どんな伝承か
脇野沢では、キツネの嫁取りと呼ばれる現象が語られている。土地でキツネ火と言われるもので、蛸田・瀬野・脇野沢・その上流・九艘泊と、村のほぼ全域で目にすることができるという。愛宕山に明かりの行列が並ぶと、それがキツネの嫁取りだとされる。誰かが、あっキツネの嫁取りだ、と声を上げているうちに、行列の灯は端の方から順に一つずつ消えてゆくのだと伝わる。また山の畑で女たちが働いていると、木を転がすような音が聞こえてくることがあり、キツネの鳴き声に似ているわけでもないが、これもキツネの仕業だろうと話し合ったという。
原典より
キツネの嫁取りと呼ばれる現象が起こる。—— 脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承(脇野沢村(編)・脇野沢村史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承(脇野沢村(編)・脇野沢村史)
『脇野沢村史 民俗編――伝説と世間話・キツネ伝承』は、下北半島の最西端にある脇野沢村の村史民俗編のうち、口承文芸を扱った第七章である。村で採集した一一七話の昔話の特色と語りの場・語り手、地名をめぐる伝説、人を化かすキツネや狐の嫁取り・仇討ちの世間話、夢の予兆をめぐる伝承、天候や豊漁・豊作の諺を収める。章を昔話、伝説と世間話、諺と言葉遊びの三節に分け、昔話には『日本昔話大成』の話型分類による対照表を付す。