裸で川に入った魚釣りの人
どんな伝承か
語り手が一〇歳前後の子供のころに聞いた話。ある人が夜、魚釣りに行った帰りに、田んぼの中をぐるぐる歩き回っているのを近所の人が見つけ、「何をやっているんだ」と聞いたところ、「何が何だか分からないうちに川に入っちゃった」と言う。見ると、その人は着物をまるめて頭の上に載せ、裸で歩いていたのであった。狐に化かされたのだという話であった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
草加市史 民俗編――伝説(草加市(編)・草加市史)
『草加市史 民俗編――伝説』は、草加市が編んだ市史民俗編のうち、伝説の章である。柿木や青柳など市内各町の地名の由来、塚、毛長神社や弁才天などの神々、疣地蔵・火あぶり地蔵などの地蔵・薬師・観音、旅の僧、狐・むじな・狸・雷獣といった動物や妖怪の伝えを、『新編武蔵風土記稿』や縁起碑、土地の人からの聞き書きによって記す。地名起源から動物・妖怪まで九つの節に分け、聞き書きの話には町名と話者の頭文字・生年を添える。