田を渡る狐の列に見えた提灯
どんな伝承か
吉町二丁目に伝わる、狐の行列の話である。狐が列をなして通るのは、決まって夜のことだったという。夜中の三時ごろ、狐が田の中を渡っていくと、遠目にはいくつもの提灯の灯が、ついたり消えたりしながら連なって動いているように見えた。土地の人びとはその灯を見つけると、「お稲荷様がいらっしゃった」と言い合ったものだという。草加のあたりでは、こうした夜の灯を狐の嫁入りとも狐の嫁取りとも呼んで語り伝えてきた。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
草加市史 民俗編――伝説(草加市(編)・草加市史・自治体史(民俗))
『草加市史 民俗編』所収の伝説。埼玉県草加市に伝わる地名・塚・神社・地蔵・狐狸の伝説を採録する。