ムラの聖地と霊・神
どんな伝承か
西春町(現北名古屋市)の九之坪と岡には、里の霊神場ともいうべき御嶽山という小山が築かれている。九之坪の御嶽山はもと総宮十所社境内の北西にあったが、昭和五年の本殿改築の折に現在地へ移された。九之坪の羽柴鈴吉は大正十五年、家に伝わる虎の爪など五点を天桂寺に寄進しており、寄進状には由緒深い品を私有すると散逸の恐れがあるためと記されている。ほかにも高畑神明社の御神体、二本松の塚、城屋敷の伝承などが残っているという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異(西春町(編)・西春町史)
『西春町史 民俗編2――霊と神・祈禱・怪異』は、西春町が編んだ町史の民俗編である。九之坪・岡・沖村・石橋など町内の各ムラに残る御嶽山や塚、堂、小祠、石塔、家の神、祈禱師、祈願と参詣、霊威と祟り、狐や狸の怪異と憑きものを、聞き書きと『徇行記』や村絵図などの記録から記す。霊と神、祈願と参詣、霊威と怪異の三節に続けて、第十二章の伝説の節を大字ごとの十九項に分けて並べ、五条川の大蛇の目撃談で結ぶ。