仏滅の日に漁具を新調せず
どんな伝承か
京都府伊根の漁村には、仏滅の日には漁具を新調しないという禁忌が伝えられている。これは各地の俗信・迷信を集めた調査報告のうち、漁業に関するもの二十六例の一つとして、『第五十七例、仏滅の日に漁具を新調せず(京都、伊根、漁)』と記録されている。漁業の禁忌には日の吉凶に関わるものが多く、抜錨や初漁を避ける日を定めるなど、暦の吉凶を重んじる俗信が広く見られた。仏滅を忌んで漁具の新調を控えるのも、その日の吉凶を気づかう心もちから生じた習わしと解される。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の俗信 1――迷信の実態(迷信調査協議会(編)・日本の俗信・1949年(昭和24年))
『日本の俗信 1――迷信の実態』は、迷信調査協議会が編み、昭和二十四年に初版を出した迷信調査の報告書で、昭和五十四年に洞史社が復刻した。文部省が昭和二十一年に企画し、全国の小学校を通じて行った慣習状況調査をもとに、暦・日の吉凶・方角・妖怪・占い・民間療法・農漁業にまつわる迷信を統計と解説で扱う。第一章を古畑正秋・今野圓輔らの分担執筆とし、第二章に昭和二十四年度調査の手引、第三章に各地の言い習わし集、第四章に天文暦法の迷信の解明を置く。