三重の厄日に式を挙げた夫婦
どんな伝承か
昭和三十四年十一月十三日は、十三日の金曜日と仏滅と三隣亡が偶然に重なる厄日だった。この日が誕生日にあたっていた総理大臣の岸信介は祝いの席を十五日にずらし、新聞各紙はそれを皮肉ひとつ添えずに伝えている。都内の名の知れた式場はどこも閑散として、東京新聞の調べでは、あえて式を挙げた夫婦は帝国ホテルで一組、新宿と大田の生活館で数組しかいなかった。日を選ぶ習わしは、迷信と言われながらもなお根強い。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。