日野川に流された山の怪女と白鬼女橋
どんな伝承か
鬼ヶ岳へ柴刈りに行った村人が、山の中で髪を振り乱し、白い肌もあらわな女に出会った。女は笑いながらこちらを向いて手招きしたという。この女は畑を荒らし、ときには子どもをさらうこともあったので、村人は見つけ次第追いかけたが、逃げ足が速くていつも姿を消してしまう。翌年の春、山で冬を越して里に下りてきたところを大勢で追い立てると、女は日野川の岸まで追い詰められ、雪解け水に流されてしまった。ところが今度は日野川筋で往来の不安が絶えず、川で死んだ女の恨みが祟っているとされた。そこでこの女を白鬼女と呼び、架けた橋を白鬼女橋と名づけたという。
原典より
現在の橋のある場所は、昔の橋の場所から二百メートルほど下流の地点に当たる。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。