生き返って極楽行きを告げた老婆
どんな伝承か
小泉町の伊藤家の先祖に、明治六年ごろ亡くなった老婆がいた。春三月、老婆が息を引き取ったので親類や近所の者が葬式の支度をしていると、夜中に老婆が生き返った。それから数日のあいだ、老婆は人の顔を見るたびに、あなたは極楽へ行ける、もう少し後生を願いなさい、極楽に席が決まっているなどと一人ひとりに告げたので大評判になり、わざわざ遠くから聞きに来る者も数知れなかった。それもしばらくでやんだというが、話はいまも伝わっている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。