土産を断る三羽の雀と継母の仕掛け
どんな伝承か
昔、父と継母と三人の子がいて、継母は子どもたちを憎み、折あらば殺そうと考えていた。父が亡き妻の骨を納めに京の本山へ泊まりがけで出かける際、子らはそれぞれ針と針箱、手まりと羽子板、こまと凧を土産にねだった。留守の間に継母は風呂の湯を煮えたたせ、上に吊るし柿を下げて、ふたに上がると湯へ落ちる仕掛けを作り、帰ってきた三人を次々に死なせて庭の松の根元に埋めた。帰った父が子を探して庭へ出ると、松から三羽の雀が下りてきて、土産はもういらないと一羽ずつ鳴いた。不思議に思って松の根を掘ると三人の亡骸が見つかり、継母は代官所に引かれたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。