穴あきかごでソダ実を拾うまま子
どんな伝承か
昔、母親が姉妹にソダ実(真木の実)を拾いに山へ行かせた。継子の妹には穴のあいたかごを、実の子の姉には穴のないかごを持たせ、いっぱいになるまで拾ってこいと言いつけた。日暮れになり、かごが満ちた姉は一緒に帰ろうと誘ったが、妹はいっぱいにしないと母に叱られるからと残って拾い続けた。けれども穴から実がこぼれて、いつまでもたまらない。あたりが暗くなり、心細さに泣いていると、林の向こうに明かりがぼんやり見えた。そこを訪ねて泊めてもらい、穴のないかごを譲られて、ソダ実をいっぱいにして家へ帰ったという。
原典より
だが、まま子のかごは穴あいとるもんで、ソダ実はちっともたまらん。—— 坂部民俗誌稿(長野県下伊那郡天竜村)――昔話・伝説 より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
坂部民俗誌稿(長野県下伊那郡天竜村)――昔話・伝説
『坂部民俗誌稿(長野県下伊那郡天竜村)――昔話・伝説』は、天竜村坂部の民俗をまとめた民俗誌稿のうち、第十二章「口頭伝承」の一部を収めたものである。さるかに合戦、へび女房、桃太郎、花咲かじじいなどの昔話を語り手の名を添えて土地の語り口のまま記し、先途の七人塚、お万さま、天龍川のかわらんべ、早太郎のひひざる退治など落人や土地にまつわる伝説を並べる。昔話を動物昔話・本格昔話・笑話に分け、伝説、なぞと続ける。