子が持ち出した三猿の御神体と祟り
どんな伝承か
上河内町の柱松の聖社は年代さだかならぬ古い社で、かつては神木としてケヤキの大木が繁茂していたが、幕府の命によりほとんど伐採された。ご神体は「言わざる」「聞かざる」「見ざる」の三体で、疑うと罰があたる霊験あらたかな神として尊崇されてきた。大正十年、内田某の子供がご神体の一体を持ち遊んでなくしてしまい、親が足谷の山を捜して「言わざる」の一体だけは見つかったが、残る二体は分からずじまいとなった。その際に子供が頭に大けがをしたため、親はこれをたたりと思い、不動明王を足谷の入り口近くに祀って拝むようになったという。
原典より
この聖社は、年代はさだかではないが相当古く、幾百年もの昔から鎮座してあった。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。