報恩講に雨を降らす蛇になった乳母
どんな伝承か
鯖江市杉本町の西光寺で十一月十七日に営まれる報恩講は、いつも雨かみぞれが降るので、俗に蛇ぼんこと呼ばれている。西光寺第十世の寂周僧都は幼いころから病弱で、乳母が心を砕いて養育した。寂周の入寺後も乳母は寺に身を寄せて看護にあたり、寂周は彼女を実母のようにいとおしんで仏の道へ導いた。彼女は仏恩に報いるには寿命が短すぎると嘆き、長寿でありたい一心から身を蛇体にして、享保十二年十一月一日、琵琶山のふもとのため池に身を投じたという。以来、報恩講には蛇体の彼女が必ず参るので、その日は雨が降るといわれる。
原典より
十一月十七日の西光寺の報恩講はいつも雨かみぞれが降るので、俗に「蛇ぼんこ」といわれている。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。