おこりを治すと広めた石仏のかけら
どんな伝承か
二百年ほど昔のこと、鯖江市上河端の市兵衛という人が、榎坂から石仏の破片を持ち帰り、堂宇を建ててこれをまつった。市兵衛はこの石仏に、おこり、すなわちマラリヤを治す霊験があると宣伝したという。当時の人々はこれを信じて続々と参詣し、毎年六月二十五日には祭典も行なわれた。今では迷信として参る者もなくなり、石仏の破片だけが昔のまま堂宇の内に安置されている。
原典より
二百年ほど昔のこと、上河端の市兵衛という人が榎坂から石仏の破片を持って帰り、堂宇を建ててまつり、おこり(マラリヤ)をなおす霊験があると宣伝した。—— 鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説(鯖江市(編)・鯖江市史)
『鯖江市史 史料編 第1巻(民俗編)――伝説』は、福井県鯖江市の市史のうち、史料編第一巻の民俗編にあたる巻である。市内の各町に伝わる伝説を、町名を添えて収め、泰澄・親鸞・弁慶にまつわる木や岩、山姥やてんぐ、たたりのある一本杉、地名の由来を記す古文書の写しなどを載せる。自然物・岩石・動物・家屋敷・城跡・道・橋・寺院・塚墓・人物・事件の項に分け、後半には昔話・笑い話・果なし話と田植え唄などの民謡を置く。